2019/02/09 13:23
写真はザルツブルクの城塞博物館に所蔵される鉄の下着、貞操帯である。ヨーロッパの多くの博物館に貞操帯は展示されていることから、貞操帯は相当普遍的存在であったことが想像される。
貞操帯の普及の理由は十字軍説、嫉妬説、強姦防止説など種々あるが、どれも確たる証拠のあるものではないように思う。あえて言えば治安維持機能のなかった時代、女性が自ら強姦被害防止のために着用したとされる強姦防止説が比較的納得しやすいように思える。強姦野郎もこのトゲトゲを見たら退散するに違いない。
衣服は自己表現の方法だけでなく、人を寒さ暑さその他危険から保護する目的も持っている。貞操帯の着用は貞淑な自己の具体的表であるばかりでなく、強姦犯から貞操保護する下着と言えよう。そう考えると貞操帯の普及は必然性を持っていたように思える。貞操帯は現在でも製造販売されている。治安のよい日本では貞操保護の必要性はほとんどないが、貞淑な自己を表現する手段としては必要かもしれない。